今でもずっと。
あなたには忘れられない恋がありますか?
そんな質問をとある60代の方にしてみた。
その方は私が尊敬している人の1人である。
結婚してからもう何十年と経っているらしい。
なんて答えが返ってくるのかな。
少しワクワクしていた。
そりゃもちろんあるよ
この歳になったら忘れられない恋の1つや2つ
少し微笑みながらそう言った。
結婚してもなお、忘れられない恋がある。
それって素敵だと思った。
詳しく聞いてみると、その恋は高校生の頃だったという。
気持ちを伝えることは最後までなかったが、甘酸っぱい青春物語のようなエピソードだった。
じゃあ、なぜ奥さんと結婚しようと思ったんですか?
続けて私は質問した。
この人とは結婚した方が楽しそうだなって、そう思ったんだよ
彼女のことを愛しているからね
その人は笑顔で言った。
あぁ、これが恋と愛の違いなのか。
恋と愛の違いは何か。
よく言語化しよすとする人たちがいる。
それはきっと無駄なことで。
最終的には自分の感覚でしかないのだと。
ハタチの私にはまだ到底理解しがたいことのように感じた。
ただ1つ。
彼との会話で分かったことがある。
誰もが淡い薄れている記憶に恋をして。
目の前の現実を愛している。
私も同じように。
あなたも同じように。
今でもずっと、そうやってまた1日という時間を過ごして生きていく。